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Kyoto International Conference Hall
国立京都国際会館

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国立京都国際会館

設計:大谷幸夫/大谷研究室
所在地:京都府京都市左京区宝ヶ池
用途:会議場
竣工:1966年(昭和41年)
延床面積:27,885m2

国立京都国際会館サイト

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Camera:
Nikon F60 28mm〜80mm

作成日:
2000年04月 02日

最終更新日:
ページは追記・修正があったときに随時更新しています。
2008年07月13日

作成者:
Mitsuo.K


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- 戦後の三大コンペの1つ

京都国立国際会館は、戦後のコンペ(公開競技設計)でとても画期的であったといわれています。かつてのコンペというものは偉い先生が自分の弟子にやらせて、それを選ぶという「茶番」なものであったわけです。その中でこのコンペは誰がどういう意見を出しながら審査したか、というプロセスまで公開するクリアーなコンペだったといわれています。
その時期に東京の国立劇場、最高裁判所、そしてこの国立京都国際会議場が、国が主催となった三大コンペといわれています。それまでの公共建築は宮廷様式のデザイン。「戦後日本というものをいかに表現しうるのか?」という時代背景でかつ国を代表する建物であり、建築学会、建築家全員が総力をあげて取り組んだのです。

京都国立国際会館のコンペ応募数は195点。結局は大谷幸夫氏に決まったが、上位には菊竹清訓や芦原義信も残っていた。キーワードとして「日本的デザインの現代化」のアイディアが議論の中心になったのです。

さて、この建物。「稲掛け」とか「サザエのつぼ焼き」とか言われているようですが、皆さんはどのような印象を受けましたか?まあ、建物にニックネームを付けてもらうというだけでも幸せなことでしょう。

無骨にならぶ柱。「柱は垂直にたつものだ」という概念を吹っ飛ばしてます。ここは車寄せのエリアですが、単に垂直の柱だったらつまんない空間だったでしょうね。

時代的な影響かも知れませんが、どうもコルビジェテイストと言いましょうか?京都会館を見たときにも思ったのですが、なんか未完成のように思えるんですよ、この仕上がり。
今でこそ情報が先に入ってから建築を見ることになりますが、なんにも知らないでいきなりこの建物をみたら「これで完成ですか?」と言いたくなりません?僕は古いタイプなのかなぁ・・

さて、環境建築会議に出席する機会がありまして建物の中を見ることができました。クーラーなどの空調をなくして建物を設計しよう、というプレゼンテーションしながら、この会議室はクーラーでガンガンに冷やされています。5時間もここに座っていたら寒くて仕方がない。おかげさまで次の日に9度の熱を出しましたよ。(苦笑)言ってることとやってることのギャップがこうもあっていいのか?ボスコ・ビューラさん。

これは、防火シャッターですね。柱壁が斜めだと防火シャッターも斜めになるんですね。ちょっとおもろい。

中も想像どおり柱がこの状態になっています。カーキ色を基調としたじゅうたんと荒っぽいコンクリートの仕上げの組み合わせ。階段がとても心地よい上りやすさなんです。
プランとしては、建物に入ってからとりあえず上画像の吹抜空間に移動します。それから各会議室に移動という具合。一見ごちゃごちゃしているように思えたのですが、とても単純明快な配置計画だと思います。

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