ARCHITECTURAL MAP

Miyako Hotel Annex-Kasuien
都ホテル和風別館「佳水園」

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都ホテル和風別館「佳水園」

設計:村野藤吾/村野・森建築事務所
所在地:京都府京都市東山区三条蹴上
用途:ホテル
竣工:1960年(昭和35年)
延床面積:16600m2

最寄の地図


Camera:
Nikon F60 28mm〜80mm

作成日:
2000年05月 06日

最終更新日:
ページは追記・修正があったときに随時更新しています。
2008年07月13日

作成者:
Mitsuo.K


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- 都ホテルは山の斜面を利用してはいつくばるように建っているため、複数の建物から構成されています。ですから玄関ロビーから上階に移動してもそこがまた地上だったり、とある部屋に辿り着くためにエレベーターを2回乗り換えないと行けなかったり、なんとも「からくり屋敷」の様相を呈しているのであります。
唯一このホテルを利用した時が都ホテル主催テーブルマナー講習会でした。館内の案内もしてもらったので複雑なプランであったことはよく覚えています。ある部屋は出入口が2箇所あり別の廊下への抜け道にもなっていたというのもあります。


「佳水園」配置図

今回紹介する別館「佳水園」もホテルの案内図では7階にあります。7階でも地上です。ホテルのパンフレットから佳水園の配置図をスキャンしてみました。小さく赤三角印をつけたのがアプローチ、下の画像の場所になります。

ここはホテルの別館。見学を目的とする建物ではないので、やはりこれ以上勝手に入れないわけでして、アプローチから見える中庭だけをチラリと見るだけにとどめておきました。
とにかく軒が低い。背の高いひとなら頭をぶつけます。あの軒の低さが和の独特のプロポーションを形成しているのでしょう。軒の低さ、どうしても眼に飛び込んでくる水平ラインの強調、その中で格子や柱で強調される縦のライン。安定しています。

中庭。屋根勾配を見てください。かなり平たい。3寸ではない・・2寸勾配?そんなのあるんですか?中庭を見せてから玄関に入ります。


幾重にも重なる屋根

これ以上は中に入れなかったので、山際を歩きながら佳水園を見下ろせるスポットを探してみました。
緑の中からチラリと見える佳水園の屋根部分。幾重にも重なっています。1つの建物でも4箇所ぐらいにレベルを分割して屋根になっています。最近大きな建物ばかり見ていたので気がつかなかったのですが、ヒューマンスケールの限界ボリュームってあるのかもしれません。その限界が来たら、次の建物として分節する。その繰り返しを1つの建物にまとめてしまう。建物自体は1つなのに分割して見えてくるんですよね。

その結果、緑の中から屋根がこうして幾重にも重なって見える。それはまるで「サルノコシカケ」や「珊瑚礁」の様。建物は自然じゃないのに自然に見えてくる。この辺に魅力があるのではないでしょうか?

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