ARCHITECTURAL MAP

Hosen-in Temple
宝泉院

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宝泉院

所在地:京都府京都市左京区大原勝林院町
用途:寺院

拝観料:大人600円、中高生500円、小学生400円(抹茶、お菓子付き)

最寄の地図

JR京都駅より
京都バス17、18「大原」下車
三条京阪より
京都バス16、17「大原」下車


Camera:
Nikon F60D 24mm
Film:
Kodak Ektachrome Professional E100S

作成日:
2000年08月12日

最終更新日:
ページは追記・修正があったときに随時更新しています。
2008年07月12日

作成者:
Mitsuo.K


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- 宝泉院は、たぶん京都人よりも他府県の人のほうがよく知っていることと思います。僕はそのポスターを初めて見たのは、この宝泉院の中だったのですから。京都に京都を宣伝するポスターを貼ることはないですからね。(現バージョンは萬福寺ですね。名古屋駅で発見しました。)

庭園を建物の中から見ればちょうど建具が額縁に見立てられ、2度と同じ絵を見ることができない自然絵画が出来上がります。(「額縁庭園」といいます。)

たいてい京都の有名どころの庭園はこのパターンですが、宝泉院は飛びぬけて素晴らしい松(五葉松)と借景(遠景)を持っています。ただ石庭と違って植物は生長しますから、当時の風景そのままを再現しているとは考えにくく、本来は奥の大原の山々がもっと見えたはずです。今の育成状況はちょっと詰まり過ぎかな?修学院離宮レベルになると、松並木道の松がある高さまで生長すると引き抜いて京都御所に植え替えるんですよ、当時の景観を再現するだけのために。それもいかがなものかと思うが・・

宝泉院のもう1つ有名なのは血天井。慶長5年、鳥居元忠(徳川方)以下数百名が豊富の大軍に攻め込まれ自刃、伏見城が落城したときの廊下板を天井に使用しているとか。床板を寺の床板に使っては供養にならないから天井材料に使ったのです。
そこまでは納得がいくのだが、棒で指しながら「はい、ここが顔で目、鼻、口・・わかります?次、これは甲冑の痕、これは指の痕・・」とさながら心霊写真の解説を聞いているような気になって、どうもうさん臭い。僕達は毛氈(読み方もうせん)の上で抹茶とお菓子をいただくのですが、まさしくその真上が「血天井」なわけよ。それはマズイでしょうに。

例のJR東海のポスターのパロディ版を作ってみました。
「そうだ京都、行こう。」ではなく「そうだ建築、見よう。」に変更。このサイトの広告用ということで。
京都だけでなく世界中のたくさんの建築を見て感動できたらいいですね。本物のポスターでは五葉松側のガラス戸も外してありました。この誰もいない写真を撮るのにどれだけ待ったことか・・

庭園を1センチでも前に陣取って眺めようとする人はたくさんおられます。そんな電車の先頭を陣取って景色を眺める子みたいなことをしてはいけません。ある位置から最高の眺めとなるように計算されているのです。その場所は、たいてい建物の床の間の前、仏像の前など、客人もしくは主人が座るべき場所から見て最高の造園計画がなされているのです。この建物の場合、毛氈に座って眺めるよりも、こうして写真を撮っている位置くらいにまで下がったほうが良いわけよ。

さて、額縁庭園。その額縁の比率(プロポーション)までもが計算されているらしい。上の真正面からの画像を見てください。畳の淵をよーく見るとちょうど畳の短辺の4枚分ですよね?その左隣は畳2枚分。ルートとか黄金比とかではなく、正方形×2という結論。
美しい比率というのは、何を根拠に「美しい」と思うのか?それは「見慣れた比率」といってもいいでしょう。ですから、日本人なら1:1.618の黄金比よりも畳のような1:2のほうが見慣れているので、安定して見えるのだと思います。ほらっ!額縁が大きな畳1枚の比率に見えてきたでしょ?外国人だったら、もう少し長辺を短くした額縁を作ることでしょう。これもまた文化ですね。

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