金曜モスク

金曜モスクとはその街でもっとも格式の高いモスクのことを呼ぶ名称です。イスファハンの金曜モスクは771年に創建、その後、増改築が幾度となく繰り返され、15世紀頃まで続いたようです。そのためこのモスクは各部がさまざまな時代の様式で作られており、モスクの様式の変遷をまのあたりに見ることができます。なお、写真撮影はいずれも1999年5月です。

建物名: 金曜モスク
Masjed-e Jame
設計: 不明
所在地: イスファハン
用途: 寺院
竣工: 不明確
ホーム/ インデックス/ 掲示板/ リンク/ このサイトについて/ 参加のご案内

東イーワーン(左)と南イーワーン(右)
この金曜モスクおよび時を前後する一連のモスクの建設によって、イラン型モスク、すなわち4つのイーワーンが中庭に向いて立つ様式が完成しました。
西イーワーン(左)と北イーワーン(右)
4つのイーワーンは1121年ころから1220年の約100年の間に、南、東西、北の順にできあがったといわれます。それぞれプロポーション、ディテールなどが異なっていることがわかります。
泉(ハウズ)
礼拝の前には手や足などを清めます。これはそのための水場です。右側にステンレス製の飲料水タンクが見えます。
南イーワーン
幅広のプロポーションです。金曜モスクは巨大なモスクですが、ミナレット(塔)はここに2本あるだけです。
南イーワーンの鍾乳石模様(スタラクタイト)
刻みの大きなスタラクタイトです。描かれている迷路のような四角い模様は文字です。
南礼拝室内部
1086〜1087年に建設。時代の新しいイマームモスクと異なって、この時代のモスクはタイルではなく煉瓦の凹凸や目地模様によって飾られています。
南礼拝室ドーム見上げ
金曜モスクにはドームが大小合わせて500近くあるそうですが、その中でこれは最大のもので、直径10メートル以上、高さは20メートルあります。
南礼拝室ミフラーブ
タイルで美しく飾られたミフラーブですが、
西ミフラーブ
有名なのはこちらです。中央にミフラーブ、両側にミンバル(説教壇)がみえます。
西ミフラーブ詳細
フラッシュをつかわないとこんなに暗いのです。すばらしいスタッコ(たぶん)模様が見えます。
回廊1
繊細で華麗なイマームモスクと違って、金曜モスクはごつくたくましい感じがします。
回廊2
列柱と小さなドームが連続しています。小ドームは470もあるそうです。
回廊屋根見上げ1
回廊の屋根はさまざまな形態を持っています。これはかなり複雑ですが、
回廊屋根見上げ2
これは煉瓦の目地で模様をつくったシンプルなドーム屋根です。
回廊屋根見上げ3
束で持ち上げて大きな明かり取り窓を作っています。
冬の礼拝室(シャベスタン)
イスファハンでは冬には雪が降ります。そのため寒さを避けるための地下の礼拝室です。
スタッコ模様1
イマームモスクの見せ場は華麗なタイルですが、こちらは細かな凹凸の模様が見事です。
スタッコ模様2
アルハンブラ宮殿を彷彿とさせます。
煉瓦による陰影
煉瓦の凹凸で模様を作っています。太陽光が強いのでくっきりした模様が浮かび上がります。
スクリーン
大理石をくりぬいた編み目状のがらりです。
スクリーン詳細
こうして見るとけっこう厚いですね。インドのジャリスクリーンには負けています。
モフル
イランではお祈りの際、平伏した時におでこの来る位置にこの石を置きます。自分専用のモフルを持つ人もいますし、モスクのあちこちに置いてある公共用のモフルを使う人もいます。

イランの目次に戻る

最終更新日:2002年08月21日

作成者:じいきえん

(C) Copyright 1998 FORES MUNDI All Rights Reserved.