水の教会
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安藤忠雄氏の80年代の作品「水の教会」は、北海道を代表する美しい地、
富良野や美瑛にほど近い「アルファリゾート・トマム」の広大な敷地の中に佇む。

水の教会 内観01 教会内部から十字架を見る 新千歳空港から特急で約1時間。北海道の広大な大地の中にあるリゾート、トマムに安藤忠雄氏設計の「水の教会」がある。自然の中に佇む、飾り気の無い建物。湖と反対側の小さな入り口から、ガラスの屋根から光が差し込むコンクリートの階段を下がり、チャペルに入る。キリスト教会の聖堂というと前後に長い、縦長で威圧的な印象の内観が多いが、この教会の礼拝堂は、左右に広がる空間だ。内部は思ったより広く、礼拝堂の席は100名分ほどはあるように見える。

足を踏み入れるとまず、青い空を映す湖が目前に広がり、湖面には巨大な十字架が浮かぶ。自然との共生をテーマに安藤忠雄氏が創り上げたという「水の教会」には、安藤建築特有のコンクリート打ち放し、シンプルなラインでありながら、静謐な温かみある表情を見せている。 春夏秋には正面のガラス扉(高さ5m×幅15m)がスライドし、自然との境界を消し去った開放的な空間になり、 風の音、鳥の囀り、水のせせらぎが聴こえる。椅子や祭壇、花器など、細部にいたるまで安藤氏が手がけたデザインだそうだ。
 

 

結婚式写真02 結婚式の様子 撮影はできなかったが、礼拝堂後部には牧師の控室がある。ガラスで出来た円形の空間はスライド式の曲面を描く扉がついており、直線でできたこの教会の中ではやや異質で、ユニークな一角だ。教会入り口付近のガラスの床の下に位置しており、地下にある窓のない空間なのに自然光が鮮やかに差し込むこの部屋は、現代的でありながら不思議と神々しく、自然あるいは神といった、人間を超えたものに向かう前に禊ぎをする場として相応しくも思える。

「水の教会」は、キリスト教者以外の者にも開かれている教会だ。 石・ガラス・木で構築されたシンプルな教会内は、静謐な中にも温かさと優しさが満ちている。この空間での礼拝や結婚式は、自然と一体になった特別なものとなるだろう。正面のガラスを通して差し込む柔らかな光、重厚な石に響き渡る誓いの言葉、小鳥の声と共鳴する賛美歌の歌声、扉が開いて流れ込む風のそよぎ、いつまでも居たくなる祈りの空間がここにある。
   


 Data:
水の教会
建物名:
水の教会 Chapel on the Water ( Mizu-no-Kyokai )
設計者:
安藤忠雄 ( Tadao Ando )
所在地:
北海道勇払郡占冠村字中トマム ( 周辺地図:mapfanへのリンク )
交通:
JR新千歳空港駅特急で53分。トマム駅より無料送迎バスで5分
札幌より車で2時間30分
用途:
教会
構造:
鉄筋コンクリート造
竣工:
1988年
公式サイト:
http://www.waterchapel.jp
関連サイト:
アルファリゾート・トマム
Last updated 29 Dec.2004. Created by Kachina

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