さざえ堂(旧正宗寺円通三匝堂)

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建物名:
さざえ堂(旧正宗寺円通三匝堂)<重要文化財>

所在地:
福島県会津若松市白虎町

用途:
仏堂

竣工:
寛政8年(1796)

関連サイト
公式サイト


最終更新日:
2006年04月16日

作成日:
1999年09月30日

作成者:
H.Tanaka

世界でも例に見られない螺旋状の塔とでも言いましょうか。

このさざえ堂は、会津若松市の飯盛山という戊辰戦争で活躍した10代の男子で編成された白虎隊が自刃した場所であります。
観光の名所となっておりますが、そこに建築的にも非常に価値のある建物です

内部の写真ですが、階段ではなく、スロープで上っていきます。そこでは、下ってくる人とはすれちあうことがありません。
つまり、上りと下りのスロープが別にあるわけです。

上りながら後ろを取った写真ですが、右回りに上がり、左回りに下るという一瞬複雑なんですが、右の写真の天井の上が下るスロープってことなんです。

左の写真が上りと下りの切り替わるいわば最上階部分です。
暗いところで取りましたので写真が汚くてすいません。

西側立面写真です。
それにしても昔の人はこう言ったものをよく思いつきますよね。
この写真を見ると作りがわかりやすいと思います。
日本にも例が無く、世界にも例がないというのがこのさざえ堂にあった看板の謡文句でしたが、このトタンをみると「本当かな〜?」って思いますよね!

トタンでおおわれているのが非常に見苦しく残念でしたが、この辺は冬が厳しく、しかしもっときれいにやれるでしょうに。

最後に唐破風部分。彫刻も非常に古く、オリジナルです。
なぜトタンでおおわれているかというと、本来はここは外部ということで縁側と考えられていたのではないでしょうか。
かなり老朽化しており、地震がきたらやばいです。

北立面図(日本大学理工学部建築史研究室所蔵)

参考までに

「螺堂」(栄螺堂)とは、庶民巡礼の対象となっていた礼所の霊跡を現す仏像を安置する仏堂のことである。参詣路を往路と帰路とに分けて、斜路や階段などを利用し、上り下りを一方通行として、回遊風に参詣路を巡って歩くことで霊場巡りができるようになっている。さざえ堂は、江戸本所の羅漢寺さざえ堂の他いくつかの例が知られており、江戸時代から明治初期にかけては、名所として人びとの人気を博していた。なお現存するさざえ堂には、会津若松市の旧正宗寺円通三匝堂などが知られている。会津若松の三匝堂は、さざえの殻のように螺旋状に回りながら上り下りするようにつくられている。


註)『百貨店の誕生』初田亨 P.58 筑摩書房 1999年

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文責・写真:H.Tanaka


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