ビックパレットふくしま

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建物名:
ビックパレットふくしま

設計:
北川原温建築都市研究所

構造:
オーブ アラップ アンド パートナーズ

施工:
1998年9月

所在地:
福島県郡山市安積町日出山字北千保19-8

用途:
複合施設


最終更新日:
2000年07月23日

作成日:
1999年09月30日

作成者:
H.Tanaka

 

「建築は構造無しでは語れません。」
この考えを痛感させられたのがこのビックパレットふくしまです。福島県産業交流館ということなんですが、東京に住んでおられる方は東京ビックサイトと東京国際フォーラムを機能的にあわせたものと言ってもいいかもしれません。
この建築に対して賛否両論あると思いますし、こらから出てくると思っていますが、僕の中でうまく消化できていないというか自分の中で「これはどうなのか?」っていうのが感想です。
ただ、これを見た瞬間「うぉー!」っていう言葉がまず出ました。よく知り合いにこれを説明するときに「宇宙船が不時着したみたいだよ」って言ってるんですけど、構造の発達(構造に関してはほとんど無知ですが)には驚かされるというか構造デザイナーと北川原さんの知恵がこのデザインにさせたと思わしめる建築であります。

この建築を見に行ったときには日本晴れでいい写真が撮れたなーとか、これだけ大きいとそりゃあ36枚撮りのフィルムが2本は必要で。
全体の配置を見ると楕円形になっており、左の写真が一応正面であります。この裏側には在来線が通っており、東京国際フォーラムみたいな配置になっています。

 

とにかく、郡山市というのは(福島県)土地が沢山あるというか、なにもないところにこの宇宙船が着陸しているわけで、遠くから見てもシンボリックなんです。
しかし、バブル期の後遺症というか、「あー福島にも粗大ゴミができたかー」って言いたくなるんですよね。
まあ、建築を勉強している僕としてはこんなことは言えないんですけど。 

 

上の写真で手前に透明な(ポリカーボネート)風避けがありまして、風が強いんですよね。エントランスがその奥にあるんでなるほどと思いましたけど。ポリカーボネートっていうのは通称ポリカボって言われてると思うんですが、ラジコンカーのボディーに使われているものです。(余談ですが)軽くて柔らかい(かなり厚かったんで頑丈ですが)加工しやすくおそらく安価なんでしょう。 

 

上の写真が駐車場とエントランスを結ぶペデストリアンデッキといわれるものです。「映画らせんに影響されたのか?」って思ったんですが、実は構造で必要なんですね。風の強いこの土地で、駐車場から楽にアプローチできるようにあるんですが、その時これだけのスパン(1ユニット31m)をとばすには見てわかるようにこのチューブの直径が太くなったり細くなったりしてとばしています。(簡単ですいません)

上、左、下の写真はエントランス周辺です。屋根のルーバーがリズミカルできれいだなーって思ってましたが、これも構造で必要だそうです。戦闘機などにも使われている素材で、鉄の3倍以上の強度を持ちさらに軽いっていう次世代の材料です。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
一見みると金かかってんなーって感じがしますがこれに関しては、プレキャストの材料だろうし工期の短縮から考えてそうでもなさそうです。

そろそろ内部に行きましょうか。
右の写真が、展示ホールホワイエです。上が膜屋根で中央で膜を押し上げているぐらいしかわかりませんが、ここからこの建築の3分の1近くを占めている多目的ホールの入り口です。
なんと、郡山の人の成人式はここで行われたそうです。(僕もやっていってみたかった)

エントランスロビーからアトリウム方向を見た写真です。右側がコンベンションホール群(会議室)左が多目的ホールです。
真ん中に見える照明が印象的なんですが、内装も驚きで下の写真でもわかるようにアルミ仕上げなんですよね。
公害問題はどうすんだーって言いたくなりますけど。

このアルミ仕上げも、吸音の効果などいろいろあるんでしょうが勉強不足でわかりません。(なんでこうなるんでしょうか?)

多目的ホールの写真なんですが、ここにブースなどを作って展示会なんかやるんでしょうね。
何となく暗い感じでしたが、ローコスト。
床はコンクリート打ち放し。
でも、ここの音響はうまく言っているようです。っていうのは、吸音がよく、歩く音などためしに手をはたきましたが音は響かなかったんですよね。

最後にビックパレットふくしまは、東京からわざわざ見に来る価値があると思います。郡山駅からバスも出てますし。構造を勉強している人は特におすすめですね。
僕がこの建築を訪問したときは、なにも展示をしておらず、人はいませんでしたが、今度は人がわんさかいる状態で行ってみたいです。

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文責・写真:H.Tanaka


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