群馬県立館林美術館
Gunma Museum of Art, Tatebayashi

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最終更新日:2006年04月16日
作 成 日:2006年04月16日


DATA

建物名:群馬県立館林美術館
設計者:第一工房
延床面積:6,856平米
規模:地上2階
構造:RC,SRC,S
所在地:374-0076 群馬県館林市日向町2003
用途:美術館
竣工:2001年
周辺地図:
公式Webサイト:


作成者:H.Tanaka
文責・写真:H.Tanaka


群馬県インデックス


広大な敷地に低層で有機的な形が優しい印象


池に架かる橋にはガラスの手摺が、上の写真のアングルから見ると手摺の存在が感じなくスッキリとしている。


床の石と水盤、芝生などとの見切り方もすっきりと納めている。

第一工房の設計というと、この館林美術館がはじめて見た作品かもしれません。
特に第一工房のイメージはありませんでしたが、学校建築が多いことから組織事務所に近く堅実な感じなのだろうかと。

しかし、この美術館を見て一つ一つを丁寧に考えデザインしている事務所だなと思いました。
系統分けするのもいい事かどうか分かりませんが、谷口吉生の建築建築したところから建築を抜いたような印象。

さて、この美術館は群馬県の館林というところに建っており、場所と言えば、この美術館に行かない限り恐らく行くことがない。というくらいへんぴなところといいますか、地元に根ざしたところに建っています。

周りには何もないただ広い土地にちょっとした外構(実際にはかなり大規模なランドスケープデザインだが、それほどいじくった感じもしない)に絡み合った美術館が配されています。

広い公園をとおり、池を渡って、緩い曲線の道をゆっくりと歩き、芝生を囲い込む建物と建物の隙間に入っていくこのアプローチは「美術館に入る」というより「ちょっと一休み」といった気持ちにさせます。

実際に美術館の機能を満足させながら、公園と一体的に見せる装置が随所に、贅沢に計画され、この土地でなくては、この公園が無くては成り立たないプランです。

エントランスホールに入ると水盤に浮かんだ様な印象を受け、大きな開口は外を感じさせる気持ちの良い空間。
各展示室へつなぐ廊下は水盤を囲い込むようななだらかな曲線でこれもまた気持ちいい。
これらを実現させるディテールもまた見事です。同じような見た目のデザインは良くありますが、この館林美術館のディテールは非常に堅実で渋い、参考になるディテールが多いです。

必要な機能を公園に絡ませたエントランスホール、廊下、展示室の後ろ側に配置し実際に必要なボリュームを消す配置も見事です。

最近東京で素材、外観を重視したコマーシャル的な建築が多い中、「建築とはこうあったほうが気持ちよくない?」と思わせる作品です。


喫茶店への入口は水盤の上にかかる橋を通る。手摺などをつけないで足元の立上がりだけですませている

枠無しの大開口が見事に内外をつないでいる、ちょっと日陰に・・・といった感じで

展示室へは景色を見ながらアクセスする

メインの展示室で非常に印象的な外観、積極的に光を入れている。

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