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ジャン・ティンゲリー美術館 Jean Tinguely Museum

2000/05/10 Last renewal 2001/07/28
 この美術館の展示されているティンゲリーの作品は動く機械仕掛けのもので、その動きは見る側がボタンを押す等のアクションによって作用します。その動きと音はなかなか面白いもので、動かす子供達を見ているとすごく好奇心を掻き立てられているのがわかります。もちろん大人も楽しんでいました。私自身もそうで、なかなか面白ろかったです!この美術館のすべてはそうした動く作品のみが展示されていて、一般的な美術館とはかなり違うものでした。そうしたティンゲリーの作品のみを展示するのがこの美術館なのですが、その外観を見ればまず屋根架構に特徴があるこがわかるのではないでしょうか。設計者であるマリオ・ボッタはトラスを円筒シェルで挟んだワーレントラスという屋根架構をこの美術館に使用しています。ボッタ自身は今まで設計したいくつかの建築にもこのワーレントラス構造を取り入れているといいます。このワーレントラスの実物を見る以前、画像や写真等でこの美術館の紹介を見た時の印象が、大きく重厚感のある屋根だなと思っていたのです。ところが実際に見ると、むしろこの屋根は軽やかとも言えるものでした。トラスの実物は想像以上に大きかったのですが、それが逆に中に浮いたような感覚を与えるのか、重量感がなく、壁とトラスの接合部も円筒の絞り込んだ箇所だけなので、大きなトラスは壁に引っ掛かっているようにも見えるのです。そういったところがこのワーレントラスの特徴でもあるのでしょう。この建築はそうした構造の形態と特徴をうまく利用して軽快な空間をうまく出していました。また美術館のすぐ南にライン側が流れ、そのライン川に呼応するかのように、長い曲面のガラス回廊が作られています。ここは通路なのですが、エントランスから展示室へ至る順路であり、ティンゲリーの作品を堪能する前にライン川の景色を眺めるプロムナードでもあるのです。そしてこのプロムナードは1階から2階へとつながるスロープとしての機能を持ち、2階の小展示空間へとまず誘導します。そして進むに従い最後の大スペースの展示空間に出ることになるのです。


ジャン・ティンゲリー美術館 Jean Tinguely Museum
マリオ・ボッタ 
Mario Botta

建設 1996年
用途 美術館

所在地 スイス バーゼル
Basel, Switzerland

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