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龍安寺

2001/03/01
 エリザベス女王が訪れ、この庭の絶賛したことから、海外において日本庭園の代表的存在とされています。庭園は室町末期の15世紀末に作られたと考えられていますが、はっきりした作庭年代は不明で、作庭意図もはっきりしていません。そのため虎の子渡し・七五三の石組・黄金分割・バースペクティブなどさまざまな指摘がされています。
 虎の子渡しとは、親虎が子供を連れて河中を渡っている姿を見立てて、虎の子渡しの庭園であると言われうものですが、「虎の子渡し」とは小堀遠州作庭の南禅寺庭園 に見られる枯山水庭園の典型とされているものです。 虎の子渡しという名前の由来は、中国の古い故事にあり、虎が三匹の子を産むと、その中には必ず悪虎(彪(ひょう))がいて、他の二匹を食おうとするので渡河の際に苦労するというのです。ある時、三匹の子虎を連れて川を渡ろうとした母虎は、子虎を一匹しか背負って泳げないため困り、悪虎と他の子虎を川岸に残すと子虎が食われるますから、母虎はまず悪虎を背負って対岸へ渡河。次に悪虎を置いておいて元の岸に戻り、子虎を背負って再び渡る。向こう岸で子虎を降ろし、悪虎を背負って戻る。悪虎を元の岸に置いておいてもう一頭の子虎を背負って向こう岸に渡る。最後に母虎はまた戻り、悪虎を背負って渡る。これで悪虎に食われることなく川を渡れるというこなのです。しかし、虎の子渡しの故事と石庭は関係ないように思うのですが。


 七五三形式の石組という説については、石ほ配置は東(左)から、5・2・3・2・3の組み合わせとなっています。五組の組み合わせによる一種の七五三だと言われるものなのです。本来の七五三とは陰陽五行説に従うもので、中心が生まれる奇数を吉数としたものです。王道に左右巨下がシンメトリーに並ぶ配列でもあります。日本では1の桁の奇数は1と9(苦)を除き、中の七五三を瑞と定め祝儀に用いました。これは祝儀の思想として茶の湯や生け花、庭にも重んじられ、庭園では石組や庭木等の配置に応用されることになります。 この石庭はその構成からして、陰陽五行説に従う思想のもとにあるのは明白といえるでしょう。
 黄金分割の指摘は左の図のような構成でなされていると言われているのですが、実際には庭を眺めてもこの構成は意識されるものではありません。しかし、うまい具合に当てはまっています。意図的に黄金比を使ったか使っていなかったのかわわかりませんが、配置の結果は黄金比にあてはまっているのは確かであるといえるのです。



 下の画像にあるように、方丈の奥から石庭を見れば広縁と濡縁の間仕切りによって視覚的に分節されます。これは方丈の基本構成に従うものなのですが、その建築と庭園の構成においても黄金比になっていることがわかるものなのです。西洋文化を意図的に応用したとも考えられなくもないのですが、美しい構成のプロポ−ションとしてつくり出した結果、黄金比となっていたということなのでしょう。


  では、バースペクティブはというと、下の図にあるように同心円上に配置されていること、石組の構成による力学的(ベクトル)な関係が見られるといった指摘です。 図に示す位置に実際座りこの石庭を見たとき、不思議な感覚があったのは確かでした。座ったときには石組を見るのではなく正面の白砂を見ると、周りの石組が白砂に浮び上がって見えてきたのです。


 100壷程ですから庭園としては比較的小さな庭なのですが、白砂の海に浮び上がる島(石)がそこにはありました。「大海に浮び上がる島」を見立てたというのも聞いていましたが、やはりそれを一番意図したと思います。当時の禅宗庭園に求めていた感覚が感じ取れたような気もしましたし、 同時に視覚的にも空間的にも改めて優れた構成の庭であることを実感しました。この龍安寺方丈庭園は一定の位置に座り眺める庭であることがよくわかったのです。
 それともひとつの指摘に石組みの力学的関係というものがあります。これはそれぞれの石組みに視点を定めると空間に流れが感じられるというものです。
  これは先に上げた黄金分割の指摘の図にある、石組みの配置構成がそう感じさせるものなのですが、単なるこじつけに思うものです。この庭は小さな15個の石しかないのですから、否応なくそうした石と石の関係を見ることになりますが、それが空間の力学的流れとして意識できているとはどうも思えませんね。

 龍安寺はいつもこんな下の画像にあるような状況でして、ほとんどの人が落縁に座って庭を眺めています。石の画像は15個の石の中で一番いいなと思う石です。このなめらかなでこぼこ感がいいかな!と。右から8個目ですから真ん中の石ですね。


 石庭の塀越しには見事なシダレザクラがありますから桜の時期は華やかな石庭が楽しめます。見ごろは4月末ぐらいです。1588年に豊臣秀吉がこの竜安寺の庭を訪れ、シダレザクラについての歌を詠んでいます。ですが、石庭については触れていないとのことです。おそらくその時期にはまだ石庭がなかったのではないでしょうか。
 龍安寺の方丈内部はなかなかに見事な襖絵があります。方丈は4方に庭がありますから、堂内はどこからでも庭がみえるのです。画像は礼の間から書院を見たものです。

 龍安寺は石庭が有名ですが、境内は広く多くのカエデやモミジが植えられています。ですから紅葉の季節もまた趣きがあります。今までに何度も竜安寺には行っていますので、紅葉の時期桜の時期も絶好のタイミングで訪れることができました。



2000/12/17 桜


2000/12/17 紅葉


龍安寺 Ryoan-ji
用途 寺院 庭園
 
MAP
所在地 
京都市右京区竜安寺御陵ノ下町

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