住宅かと思えば、観光バスも立ち寄る漬物屋でした。阪神電車がこの奥すぐに走っているので、車内からも見られると思います。ここに見に来たのは、魚崎小学校の設計がなかなか良かったので、同じ設計者清水栄二氏が住宅を作ったらどんな風になるのだろうか?そんな気持ちでやって参りました。

阪神電車の車窓からも確認できる建物

最初どこにあるのか分かりませんでしたよ。妙にきれいな土産物屋しかないのです。どうやらここの名物?甲南漬の資料館になっているようです。では案内図をご覧ください。

建物前に掲げられた案内図

うわっ!出た〜!コミュニティー広場だってよ。一体だれがこんな意味不明の言葉を教えたのでしょうか?ただの庭じゃないか。イベント広場?座ったら勝手に水持ってきてご注文は?って言いそうな兄ちゃんがいるじゃないか。あーイヤだねぇ〜こういう妙に新しいところは。

近代建築の名残あるファサード近代建築の名残あるファサード

イベント広場の奥にやっと目的の建物発見。なによあれ?あのアールの壁とも屋根とも言えない不思議な物体。早速中に入ってみましょう。

廊下から庭側を見る廊下から庭方向を見る

あー中もきれいにしちゃったんだ。なんちゃって和風がてんこ盛り。あのアールの部分は階段室でした。やはり階段が建物のメイン・イベントだったんだ。2階も見に行きたいな〜。店員に聞いてみると

2階はパソコン教室なのですが、今日はやってないので入れません。

パソコン教室とな!漬物屋にパソコン教室があるのか?まあいいや。入って右側にコミュニティー広場と呼ばれるただの庭まで廊下が一直線に走る。その両側が飲食店とギャラリーになってましたから、中廊下式の家だったようです。建物中央にももう一箇所階段がありました。本当に元住宅なんでしょうか?大きな家です。天井が異様に高いですね。土足になってなのかな?

建物に関する説明はどこにもなく、95年の震災でこの建物以外は全壊したとのこと。なんとかこうして用途を変更して生きている建物なのでした。

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建物情報

建物画像
甲南漬資料館
建物名
甲南漬資料館 旧高嶋平介邸
読み方こうなんずけ しりょうかん きゅう たかしまへいすけ てい
設計
清水栄二
読み方しみず えいじ
所在地
兵庫県神戸市東灘区御影塚町4-4-7
用途
資料館 旧個人住宅
竣工
1931年(昭和6年)
構造
RC造2階建

作成者 Mitsuo.K
個人サイト Mの憂鬱
作成日 2000年05月20日
更新日 2008年07月12日
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