自由学園明日館 重要文化財 ※解体・調査工事中

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最終更新日:2009年08月09日
作 成 日:1999年09月30日


DATA

設計:フランク・ロイド・ライト+遠藤新所在地:東京都豊島区西池袋二丁目
用途:学校
竣工:1922年
最寄り駅:池袋
周辺地図 ■関連ページ(建築マップ内)
 自由学園明日館(ろん)
 自由学園明日館講堂(tanaka)
 自由学園 南沢キャンパス(makoto)


作成者:H.Tanaka

幸か不幸か、私が自由学園を訪れたときには保存・修復工事が行われていました。自由学園の文章では「明日館は、重要文化財指定建造物としての保存・修復工事に入りましたので、見学はお受けいたし兼ねます。工事は約4年を要しますが、完工のあかつきに、おいで頂きますようお願い申し上げます。なお、工芸研究所、消費経済研究部、食事研究グループの販売業務は1999年1月から講堂で継続しますのでご利用ください。 1998年11月1日 自由学園」とのこと。

これから、工事中の貴重な?写真をご覧頂きましょう。

 

悲しくなってしまうくらいぼろぼろですが、重要文化財指定建造物ということはこれからも壊されずに残ると言うことなので非常にすばらしいことですね。実は数年前この明日館の方が壊そうかどうしようか迷っていたそうです。というのはライトが日本に残したもう一つの作品帝国ホテルは、関東大震災にも耐えたのですが、この明日館は構造に問題があって、これをなんとかせねばと。

よく写真で見られる、正面部分は事務所が入ってしまったので撮れませんでした。屋根の部分もかなり痛んでる様子ですね。
ここで、一つためになる話を。
ライトが発見した材料に大谷石というものがあります。帝国ホテルなどはまさにそれを使ったもの。その大谷石というのは栃木県の大谷市というところからとれるから大谷石なのです。
栃木県の蔵や塀には大谷石をふんだんに使っています。ただとりすぎて崩れたらしいんですけど。

大谷石というのは風化が激しくまあそれがまた風情があっていいのですが、基本的にもろい石なのです。栃木県にいくとなにげに沢山あります。
そしてもう一つためになる話です。
この修復工事は監理が「文化財建造物保存技術協会」というところなのですが通称「文建協」ブンケンキョウといいます。ここは読んで字の如しで保存専門の団体。
横浜にある赤煉瓦倉庫や、社寺仏閣などの修復工事でも大活躍の「ブンケンキョウ」です。

さて、保存・修復工事とは、この明日館ではどうかわかりませんが、お寺などの場合一端すべて解体し、継ぎ手など木の腐っている部分は削り新しい木をあて、部分部分を修理していくのです。木も長年の間でねじれたりしてるわけですが、それでもそのねじれたまま、曲がったままで納めていくのです。本当に大変な仕事ですね。
こういった仕事をもらえる建設会社はなかなか無いそうです。(それだけ技術が必要。)

 

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文責・写真:H.Tanaka


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