東京都慰霊堂(旧震災記念堂)

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最終更新日:2000年05月25日
作 成 日:2000年05月25日


設計者:伊東忠太
用途:納骨堂
竣工:昭和5年
所在地:墨田区横綱2-3-6 横綱町公園内
最寄り駅:両国
周辺地図

作成者:H.Tanaka

 

伊東忠太は、日本人初の建築史家であり、マニアックな話ですが、東大の2代目ボスでした。初代ボスが辰野金吾で辰野の一言「歴史をやれ」で伊東は歴史の道を選んだのです。
彼は日本で初の歴史論文「法隆寺建築論」を発表。その後独自の論「建築進化論」を元にこの慰霊堂を設計しています。東京で見ることのできる伊東忠太の作品は、
築地本願寺、東京都慰霊堂(これ)、復興記念館(慰霊堂の横)などがあります。

なんと言ってもこの全体のプロポーションがそそります。例え「慰霊堂のどこがよかった?」と言われて「かっこいいところ」っていう単純な感想しか言えなくてもいいじゃないですか。なんともかっこいい慰霊堂なのです。総武線で両国駅のホームからあの下駄建築である、江戸東京博物館(菊竹清訓)がありちょっとがっかりしますが、そのまま真っ直ぐ北に行くと口直し的にこの慰霊堂があります。

青い銅板葺の屋根に唐破風付きのお堂があるかと思いきやバックには三重の塔があり、伊東の得意技というかこれでもかっていうくらいに妖怪が潜んでいます。ここで余談ですが、伊東は妖怪フェチだったらしく、妖怪の絵を沢山残しています。『伊東忠太動物園』藤森照信著に載っていますが、鬼太郎の著者?というくらいの勢いです。妖怪は下の方にありますが、その前にこの建物はSRC造です。驚きです。復興記念館が隣に付随していまして、史料がありますが、当時の工事の様子の写真があり、そこには一見木造風の部材が全て鉄骨で組まれています。
驚きでした。

お堂の写真です。照明を加えた一匹目の妖怪発見。なかなか見にくいのですが、紛れもなく妖怪です。

下の写真を見ても雀のようで、鳩かも知れないでもなんでしょうね?異様です。
左の妖怪も耳が大きくでも口も長いしっぽもありますね。

こういった妖怪というか何だかよく分からない動物が伊東忠太の作品には沢山あります。

左の写真をじっくりと見ていただければ分かるかと思いますが、垂木が実は木ではないのです。
そして銅瓦の酸化が屋根を緑色にしています。
この屋根の色が何とも言えなく美しい。

アップで見るとこれもまた違った感じです。
銅板瓦葺の雰囲気が分かるかと思います。垂木なんかも木ではありません。

改めて見ると、実は千鳥破風の懸魚(げぎょ)にも妖怪がいるそうな。

 

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文責・写真:H.Tanaka


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