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九段小学校

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最終更新日:2005年04月14日
作 成 日:2001年04月02日


DATA

 

設計者:東京市臨時建築局学校建設(石井権三)
構造:鉄筋コンクリート造3階建
用途:学校施設
竣工:
1929
所在地:
千代田区三番町15
最寄り駅:
市ヶ谷
周辺地図


作成者:H.Tanaka
文責・写真:H.Tanaka


東京都インデックス

ドイツ表現主義の影響を受けたと思われる建築として有名な千代田区立九段小学校です。ドイツ表現主義というのはブルーノ・タウト、エーリッヒ・メンデルゾーン、ハンス・ペルツィヒなどに代表される建築家が建築を有機的な曲線で表現した芸術運動です。表現主義の激しいものでは時たまとてもグロテスクなスケッチなどがあったりします。

メンデルゾーンの代表作であるアインシュタイン塔なんかが表現主義の代表でしょう。そして、それらを日本に伝えたのが1920年に結成された前衛的活動、分離派建築会(石本喜久治、堀口捨巳、滝沢真弓、矢田茂、山田守、森田慶一)です。

彼等が付けた分離派という名前はオーストリアのセセッションに由来するのですが、作品の表現は全くのドイツ表現主義でした。

石本の朝日新聞社(現存せず)、山田守の東京電信電話局(現存せず)などが有名で、特にこの九段小学校は山田守の作品東京電信電話局に非常に似ています。

 

この小学校は現在も現役で使用されており、内部も恐らくほぼ原型を止めているといった印象です。(ほんの入り口付近しか見れませんでしたが)
窓の形がとても特徴的で、アーチの様に円型ではなく“パラボラアーチ”という曲線を使っています。そのパラボラアーチをモチーフとして、階段室の部分から門、そして、パラペットの断面までがこの曲線でデザインされています。

右上の写真では庇の部分も曲線が使われており、この徹底したデザインには圧倒されます。

気がついた点としてのまとめは

窓の曲線、パラペット、門、庇

です。

設計者が東京市の営繕であり、関東大震災以降の学校建築が鉄筋コンクリートで建てられた頃で、この時代の学校建築はなかなか見応えのある物が非常に多いです。
例えば、銀座の泰明小学校や四谷の四谷第五小学校など、他にも日本の都市部で建てられた当時の学校建築は非常にいいデザインです。東京市の営繕は、同潤会などと同じように東大出身のエリート設計集団だったのでしょう。

基本的には見学は不可。
写真は生徒にカメラを向けないことを条件に了承していただきました。

近くには九段会館や靖国神社(遊就館)などを見学できるでしょう(歩いて結構ありますが)


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