明治生命館(重要文化財)

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最終更新日:2005年04月11日
作 成 日:1999年09月30日


DATA

設計者:岡田信一郎
施工:
竹中工務店
所在地:東京都千代田区丸の内2-1-1(馬場先門前)
敷地面積:1469.33坪
延べ床面積:9584.15坪
軒高:100.00尺(約31m)
主要構造:鉄筋鉄骨コンクリート造/地下2階、地上8階、塔屋1階
外部仕上:岡山県北木産花崗岩
用途:オフィス
竣工:昭和9年3月
TEL:(03)3541-0282
最寄り駅:東京/二重橋前
周辺地図
公式Webサイト:明治安田生命
明治安田生命による明治生命館の紹介


作成者:
H.Tanaka

 

明治生命館。建築を学んでる学生の方!あなたはこの建築をご存じでしょうか?
知らない方は非常に残念です。とだけいっときましょう。
明治生命館は近代建築の中で外しては通れない重要な建築物なのです。
いまさらここでその歴史的な意義を延べはしませんが、いや、簡単に説明しましょう。
明治維新から日本の近代建築史が始まり、それまでの日本の建築というと社寺仏閣に代表される建築物でした。
日本は世界に肩を並べるために、日本に様式建築(ヨーロッパの歴史主義)のスタイルを輸入することになるわけです。初めは日本に外国人建築家(お雇い外国人)を呼び寄せ、彼らに様式建築を設計させ、日本人に建築の教育もさせたわけです。
日本人建築家はお雇い外国人により様式建築を学び明治12年に初の日本人建築家が誕生します。(辰野金吾など)辰野達は様式建築をある程度まで習得し、
日本銀行東京駅等を、妻木頼黄は横浜正金銀行等を、そして彼ら第一世代の集大成である片山東熊の東宮御所により一応一人歩きができるようになったのですが、それでも完璧ではありませんで、その次の世代である、渡辺仁、渡辺節、長野宇平治、岡田信一郎などが様式建築を継承し、様式建築を完璧にマスターするのですが、その頂点にあるのがこの明治生命館です。
逆に言いますと、様式建築はそれ以降あまり建てられることはなく、モダニズムなどのスタイルに変わっていきます。
昭和初期にこの明治生命館は完成しますが、岡田は既に亡くなってしまい、遺作となっています。この明治生命館は重要文化財に指定され、大切に利用されているようです。

さて、蛇足ではありますが、右上の写真に見られるオーダーはコリント式といって、アカンサスの葉を形作っていまして、フルーティングという縦のへこみがこの柱を軽く見せており非常に美しい。ドリス式、イオニア式、コリント式、トスカナ式、コンポジット式とあるオーダーの中で私が最も好きなオーダーですが非常にいいですね。

もちろん、完成当初は真っ白の壁でしたが、廃棄ガス等で今では灰色になっています。
当時の写真を見たときに比べてみて下さい。
この明治生命館の迎えには皇居があり目の前に建物が無いのが幸いですね。

右の写真が、ファサード部分です。電灯、格子の装飾等を見ても当時最も優れたデザインによって作られているのが分かるかと思います。
ビジネスマンも多いこの界隈、観光客もやはりこの建築を見に来ていました。

左の写真が、格子の装飾です。
よーく見ると、白鳥?なのでしょうか、下の方に頭が見えるのです、四隅に見える丸い和菓子みたいなのがアカンサスですね。

さて、私が行ったときには内部の撮影ができませんでしたが、毎月第一日曜日に公開してくれているとのことです。すばらしいですね。
その詳細につきましては、以下に記します。


●公開日
毎月第一日曜日(但し、1月、5月は第二日曜日 入場無料)

●公開時間
午前10:30〜午後4:30(入館は、4時まで)

●予約のご案内
10人以上の団体で見学をご希望の場合は、電話でご予約して下さい。
担当 不動産部オフィス開発グループ
直通電話 03-3283-9267
予約受付時間 水曜日10:00〜12:00
尚、見学希望日の一ヶ月前までにご連絡下さい。


とのことです。

みなさん、機会を見つけてぜひ日本の代表的な建築である明治生命館を見に行きましょう!

 

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文責・写真:H.Tanaka


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